2023年の技術者向けイベント(ONE)は、アメリカ、ヨーロッパ、インドで開催されたため、現地参加は無理だった。最近録画が公開されたので、順次閲覧し、メモを作成する。
まずは、恐らくもっとも重要なkeynoteから。
動画は、Trainingの下のONE Conference 2023で公開されている。
Table of Contents
The new IT leader: How low code and AI are shaping the future of IT
OutSystemsのCEO、Paulo Rosadoさんによるkeynote。
Ionic Portalsを利用したSuperapp
OutSystemsが買収したIonic関連の発表。
といっても、本格的な話はまだ水面下。
今回のセッションでは、Ionic Portalsを利用したSuperapp (複数の小さなアプリを組み合わせて1つの大きなモバイルアプリケーションのように動かすもの)の実現について話があった。
Ionic Portalsはネイティブアプリに組み込んで、標準のWebViewの代わりに動いてWebベースの他のアプリケーションを動作させることができる、ネイティブの機能もPortalsがブリッジすることで利用できるし、親アプリと組み込むアプリ間のやりとりもできる、というもの。
OutSystemsで作ったモバイルアプリケーションを埋め込むこともできる、という紹介(デモもあった)。
AI関連:Morpheus
自然言語でAggregateを作る、Action Flowの提案、AIサービスへのコネクタ、AI Mentor Studioあたりは、これまで何度も聞いた話。
新しい話として、Generative AI (Morpheus) がある。 自然言語のプロンプトでOutSystemsのアプリケーションを生成する機能(まだ開発中)。
ポイントとしては、
- OutSystemsが事前に学習しておく知識に加えて、各企業が自社の情報を学習させることができる(データモデルを与える)
- Morpheusが提供するパターンを選択すると、パターン向けのプロンプトが出てきて、修正して送信するとOutSystemsのアプリケーションができる
- 作ったアプリケーションは、さらにMorpheusと会話して修正させることもできる。
気になるのは、自社情報を学習させたMorpheusってどこにおかれるのか? 他社で利用するときに、自社の情報がうっかり出てきたりしたら、あるいはその懸念があるだけでもだいぶ使いにくそう。
Citizen Developer事例
PETRONASという企業でのCitizen Developer事例の紹介。
Citizen Developerというのは要するに、プロの開発者ではなく、業務側の人でLowCodeやNoCodeを利用して情報システムを開発する人。
聞いた限りでは
- Citizen Developer向けのプログラムを提供している
- プログラムには3つのレベルがあり、全従業員(5万人くらいいる?)が申し込める
- 最高段階まで到達すると、OutSystemsの開発環境が提供され、自分でリリースまでできる
- 前年に開始したばかりのプログラム、今年末までに2000アプリケーション(あるいは2000人の開発者?)を目指している
- 開発規模が大きくなってきたら、CoEか情報システム部門かわからないが、ITからサポートするか、という問いかけを行う
- 複雑になってきたらITで巻き取り
- 機密データを定義し、そうしたデータを扱うのは避けるように勧めている
とのこと。Pauroさんのコメントで、OutSystems以前からの経験として、Citizen Developerによる開発アプリケーションの20%くらいは、その段階を超えてミッションクリティカルになる、とのこと
‘Level Up’ Your Low-Code Game with New Innovations
product keynote。
Data Fabric
スクリーンショットを見た限り、ODC向けの機能?
様々なデータソース(例えばSAPや外部DB)からEntityを作成できる。
さらに、利用側アプリケーションでは、1つのAggregateで別のデータソースから持ってきたEntityをジョインして検索するようなことができる。
パフォーマンスがどうなるのか気になるが。
Event-Driven Architecture
App内でEventを定義できる。
EventはPublicにでき、他のAppからSubscribeして、ハンドラーを書ける。
BlockにあったEventが、直接Appの下に作れてPublicにできるイメージ。
Sagaの実装に利用できそう。