Silk UIの終焉

Silk UI Webのバージョン4.1.7がForgeに公開され、これが最後のリリースとなり、サポートも無くなることが発表された。UI Frameworkのような重要な部品がサポート切れになるということは、OutSystemsアプリケーションは基本的には作ったら作りっぱなしの塩漬けにしておくのは難しく、ある程度のメンテナンスが必要であることが確認されたように思う。

まあ、当然だとは思う。

Silk UIとは

2015年に発表された旧世代のUI Framework。

後継のOutSystems UIと同じく、多くのパターン(Widgetを指す)とテンプレートを提供していた。OutSystems 10までは、Silk UIがデフォルトのUI Frameworkとして使われていた。そのため、OutSystems 10から移行した環境、未だにOutSystemsの環境では使われているはず。

と、いうわけなので、OutSystemsに触るのは11が初めて、という人にはこの話は関係ないので無視して大丈夫。

なお、当時は、ASP.NET Web FormsベースのWebアプリケーション(現在ではTraditional Webと改称された)にはSilk UI Web、React NativeベースのMobileアプリケーションにはSilk UI Mobileが別々に用意されていた。

OutSystems11ではWebもMobileもReactベースになったためか、UI Frameworkは1つのOutSystems UI (Silk UI Mobileから進化した)に統一されている。

何が起こるのか

公式フォーラムの発表を確認する。

[Silk UI Web] Important Notice: SilkUI end of life

詳細は上記リンクから確認して欲しいが、

  • Silk UI Webはv4.1.7が最終リリース
  • Silk UI Webと、Dublin/Lisbon/Liverpool/VanilaのTemplateはサポート切れ
  • Silk UIのサイトや、Silk UIに関するドキュメントやビデオは削除
  • 2022/11からSilk UIはDeprecatedのステータス(利用は非推奨)

なお、ドキュメントはWebサイト上からはなくなったが、ForgeのコンポーネントページのDocumentationタブからはPDFがダウンロード可能。

しばらく使い続ける予定の人は、念のためSilk UIのドキュメントと、必要なバージョンのoapファイルを確保しておいたほうがいいと思う。

OutSystemsで作ったアプリケーションの塩漬けは基本的になし

もちろん、OutSystemsに限った話ではないが、アプリケーションを作ったら作りっぱなしで全く保守せずに放置はやはり難しい。

今後はセキュリティホールがあったとしても修正は行われないし、質問やバグについてのサポートも受けられない(こっちは塩漬けするようなアプリケーションなら無視してもいいかもしれないが)。

Silk UIのリリースが2015年で、この発表が2022/7なので、およそ7年程度でUI Frameworkのような重要なコンポーネントがなくなってしまうわけだ。やはり、完全に塩漬けではなく、ある程度フレームワークの載せ替え等の保守作業は想定しておくべきだと思う。

なおSilk UIからOutSystems UIの載せ替えは参照付け替えて終わるようなものではない点にも注意してほしい。

Silk UI利用モジュールをバージョン11用にコンバートするで載せ替え手順を確認したときのメモを残してある。

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