列全体などではなく、個別のセル単位に色(あるいは何らかのスタイル)を適用する方法です。
例として、ある列の数値が特定の値より小さければ、文字を赤するという仕様で検討してみます。
以下のようにしたい。

サンプルコード
ES2015です。処理は関数として実装します。
パラメータ:igGridを設定したtableタグのid、列のキー、閾値を渡す、
概要:指定したidのグリッドの全行から、指定した列の値(数値とする)が閾値を下回ったら、文字色を赤にする。
/**
* igGridの特定の列のセルで、閾値より小さいものがあれば、文字色を赤にする。
* @param {string} tableId - igGridの初期化に渡したtableタグのID
* @param {string} columnKey - dataTypeがnumberの列のkey
* @param {number} threshold - セルの値と比較する閾値。
*/
function setColorIfSubthreshold(tableId, columnKey, threshold) {
let grid = $('#' + tableId);
// 列のチェック
let column = grid.igGrid('columnByKey', columnKey);
if (!column) {
window.alert(`指定された列名${columnKey}がありません。`);
return;
}
if (column.dataType !== 'number') {
window.alert('数値型の列名を指定してください。');
return;
}
// 閾値のチェック
if (isNaN(threshold)) {
window.alert(`閾値は数値で指定してください。`);
return;
}
// 1. 列インデックスを取得する
let colulmnIndex = grid.igGrid('option', 'columns').findIndex(c => c.key == columnKey);
// 2. グリッドから行数を取得する
let rowCount = grid.igGrid('allRows').length;
// 3. 全行をループして、行ごとに以下の処理を行う
for (let i = 0; i < rowCount; i++) {
// 3.1 判定に使うセルの値を取得する
let cell = grid.igGrid('cellAt', colulmnIndex, i);
let value = Number(cell.innerText);
// 3.2 値が数字で閾値より小さければ、文字の色を赤に設定する
if (!isNaN(value) && value < threshold) {
$(cell).css('color', 'red');
}
}
}
処理の流れと利用するAPI
処理の流れ:
- 列インデックスを取得する
- グリッドから行数を取得する
- 全行をループして、行ごとに以下の処理を行う
- 判定に使う列のセルの値を取得する
- 値が数字で閾値より小さければ、文字の色を赤に設定する
1.で列オブジェクトの配列を取得するAPI:optionのcolumnsで全列を取得し、keyプロパティが渡された列のキーと一致すればそのインデックス。
2で行数を取得するAPI:allRowsメソッドを使って全行を取得し、その長さを保存。totalRecordsCountというメソッドもありますが、
応答の JSON/XML にレコードの総数を指定するプロパティが含まれている必要があります
とのことなので恐らくリモートデータソース用ではないかと思います。実際、ローカルデータソースのグリッドで読んでみたら0件でした。
3.1でセルの値を取得するAPI:cellAtメソッドを利用します。
パラメータとして、列インデックス、行インデックスの順番で渡します。
3.2で取得したセルから値を取り出し、閾値より小さければ、jQueryのcssを使ってcolorにredを設定しています。
動作確認
igGridのヘルプページで動作を確認してみます。
上記ページで開発者ツールを開きコンソールから、サンプルコードの関数定義と、下記の呼び出しを投入すると、最初のイメージ通りの結果になりました。
// 実行テスト
// tableタグがgridで、InStockという名前の数値列があり、閾値を35とする場合
setColorIfSubthreshold('grid', 'InStock', 35);
ちなみに、グリッドの初期表示時点でこれを適用したければ、rowRenderedイベント(renderedではなく)にサンプルコードの関数を少し変更して設定すれば良いはずです。