なぜOutSystemsを使うのか? (Developer Day Tokyoのディスカッション議題から)

2024/04/26の開催されたDeveloper Day Tokyo内のパネルディスカッションの議題の1つ。

ある組織がなぜOutSystemsを使うのか、という議論が、各個人にとってもOutSystemsをキャリアとして選択する理由になると思うので、その観点でまとめておきたい。

結論:Low Codeのメリット+習得したスキルで技術トレンドについていける

一般的にLow Code製品を採用する理由として

  • 開発生産性
  • 開発スキル獲得の容易さ
  • (No Codeと比較して)柔軟性

があり、OutSystemsのようにエンタープライズ用途の製品であれば、セキュリティや外部連携などの理由もあるかもしれない。

ここで提示したい理由は、「(これまでのところ)OutSystemsが技術トレンドをキャッチアップし、うまくプラットフォームを変革することで対応してきた。これからもそれを期待している」というもの。

これまでのところ、その時々の技術トレンドの動向を見て、ある程度趨勢が決まってからプラットフォームを対応させてきている。常に最先端というわけではなく、一歩遅らせて、流れが決まってから対応している(ように見える)のが個人的には重要。プラットフォームの機能変更には対応コストがあるので、ユーザーに空振りさせないような対応が必要だと思うので。

このアップデートにはデメリットもある。ユーザーに継続的な投資が要求されるということ。プラットフォームの更新に伴い、これまでもメジャーな機能の切り捨てが何度か起きており、その際にはそれなりの対応コストが必要になる。また、マイナーな更新であっても既存アプリケーションの修正が必要になることはある。

というわけで、OutSystemsを使うかどうかの判断としては、「今後もOutSystemsがうまく技術トレンドに乗っていってくれるか。アップデートに伴うコストが過大にならないか」という観点は持っておきたい。

新機能の歴史

私はOutSystems 9からしか知らないが、以下のようにメジャーな新機能がリリースされてきている

  • Web開発へのAjax導入(現在でいうTraditional Webに)
  • OutSystems Nowによるモバイル開発(OutSystems 9時点でのモバイルアプリケーション開発は、OutSystems NowというOutSystems提供のアプリケーションで動作させるものだった)
  • React NativeとCordovaを使ったモバイル開発(2016年。ネイティブアプリケーションとしてビルドできるようになった)
  • マイクロサービス「的」なAction(Service ActionはOutSystems 11から)
  • Web開発のSPA対応(2019年。Reactive Web App)
  • PWA(2020年)
  • クラウドネイティブの新プラットフォーム(ODC。発表は2021年でGAは2022年末)

それぞれ、それまでのOutSystems開発スキル+αくらいで開発ができる。

切り捨ての歴史

以下のように、それまでにあった機能が切り捨てられることもある

  • Traditional Web (Reactive Web Appの発表と同時に、将来廃止されることになった。ちなみにこの記事を書いている2024/05/02ではまだ廃止はされていない)
  • Java Stack(OutSystems 10までは、プラットフォームの実行基盤として、現在の.NET以外にもJavaスタックがあった)
  • オンプレミスインフラ(ODCは当初クラウドのみの提供。将来はユーザー企業が独自に用意した環境にセットアップするパスも提供されることになっているが、クラウドネイティブ対応ということは、これまで使っていたインフラはそのままでは使えないはず)

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